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#数楽 ミニマックス定理と集合値函数の不動点定理のシンプルな関係簡単のため一時的にX,Yは有限集合であるとし、fはX×Y上の実数値函数であるとし、a=max_x min_y f(x,y)、b=min_y max_x f(x,y)とおく。常にa≦bとなることが容易にわかる。続く
#数楽 集合値函数F:X×Y→2^{X×Y}をF(x,y)=A_y×B_xA_y={x'∈X|b≦f(x',y)}B_x={y'∈Y|f(x,y')≦a}と定める。ある(x,y)∈X×Yで(x,y)∈F(x,y)を満たすものが存在するとき、Fは不動点定理を満たすと言う。
#数楽 定理:fがミニマックス定理を満たす⇔Fが不動点定理を満たす。⇒の証明:a=b=f(x,y)とすると(x,y)∈F(x,y)となる。⇐の証明:(x,y)∈F(x,y)を満たす(x,y)∈X×Yが存在するとき、f(x,y)≦a≦b≦f(x,y)となるのでa=b.
#数楽 以上の話は自明過ぎるほど自明なのだが、この自明な注意がないとミニマックス定理と集合値函数の不動点定理の関係がクリアに理解できないと思う。ミニマックス定理と不動点定理についてググってもそのような「自明だが教育的に必要な注意」を発見できなかったのでツイートすることにした。
#数楽 補足:上のFのグラフΓはΓ={(x,y;x',y')∈(X×Y)^2|f(x,y')≦a≦b≦f(x',y)}になる。このΓとΔ={(x,y;x',y')∈(X×Y)^2|x=x',y=y'}が共通点を持つこととfに関するミニマックス定理が成立することは同値。
#数楽 補足追加:a≦bを満たすa,bがなんであっても、Γ={(x,y;x',y')∈(X×Y)^2|f(x,y')≦a≦b≦f(x',y)}とΔ={(x,y;x',y')∈(X×Y)^2|x=x',y=y'}が共通点を持てばa=bとなる。極めて自明。
#数楽 応用定理:XとYは有限次元閉球体に同相な位相空間でかつ、fはX×Y上の実数値連続函数であるとし、a = sup_{x∈X} inf_{y∈Y} f(x,y)b = inf_{y∈Y} sup_{x∈X} f(x,y)とおく。常にa≦bとなる(自明)。続く
#数楽 定理続き。任意のx∈X,y∈YについてA_y={x'∈X|b≦f(x',y)}B_x={y'∈Y|f(x,y')≦a}は可縮であるとする。このときある(x^*,y^*)∈X×Yが存在してα=β=f(x^*,y^*)の形でミニマックス定理が成立する。 続く
#数楽 証明の方針:F:X×Y→2^{X×Y}、F(x,y)=A_y×B_xに位相幾何版の角谷の不動点定理を適用する。このFのグラフΓ={(x,y;x',y')∈(X×Y)^2|f(x,y')≦a,b≦f(x',y)}が閉集合であることはfの連続性から出る。続く
#数楽 続き。F(x,y)が空でないことはXとYのコンパクト性とfの連続性から出る。A_yとB_xが可縮と仮定したから、F(x,y)=A_y×B_xも可縮である。XとYは有限次元閉球体に同相なのでX×Yもそうである。ゆえに位相幾何版の角谷の不動点定理より~続く
#数楽 続き~、ある(x,y)∈X×Yで(x,y)∈F(x,y)を満たすものが存在する。そのときf(x,y)≦a≦b≦f(x,y)となるので、a=b=f(x,y)となる。 q.e.d.位相幾何版の角谷の不動点定理については→https://twitter.com/i/moments/840851361876987904 …
#数楽 もしかしたら、位相幾何版の角谷の不動点定理(Brouwerの不動点定理の一般化)を使ったせいで、何か直観的に意味不明なことをやっているように感じた人が多いかもしれない。しかし、角谷やBrouwerの不動点定理は直観的には当然成立するべき定理なので実際にはそうではない。
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